あららぎ菜名スペシャルインタビュー

あららぎ菜名

あららぎ 菜名

ARARAGI Nana
漫画家/イラストレーター/UI・UXデザイナー

東京藝術大学美術学部デザイン科卒業、同大学大学院美術研究科修了。卒業制作で執筆した『抑死者』がデザイン科N賞受賞、2018年に同作品をLINEマンガ上で連載。(全一巻発売中)
連載終了後、Twitterやpixivにて創作漫画の発表、自身の藝大受験の体験をコミックエッセイ化した『東京藝大受験ものがたり』をSNS上で個人連載、受験生などから支持を受ける。ウェブサイト『note』でも作品を発表したところnote内でのコンテスト『Cakesクリエイターコンテスト2020』で6000作品の中から入選する。現在新連載に向けて準備を進めている。

漫画家になりたいと思われたきっかけはなんですか?

 漫画を描き始めたのは小学校に入る前からでした。私の兄が子供の頃漫画を描いていて、最初はそれを見様見真似で描いていました。その頃描いていたお話やキャラクターはありきたりで、今思い返すと面白いものではなかったですね(笑)。でも描いていて、こんなに楽しいことが世の中にあったんだと思い、小学校に入ってからも休み時間に友達と遊ばないでずっと漫画を描いていました。自然と、「漫画家になりたいなぁ」と強く思うようになったんです。男兄弟がいて漫画が身近にあったというのもきっかけの一つです。人生で初めて買った漫画は『魔法陣グルグル』という漫画です。もう若い世代の方は知らない方が多いのかもしれません(笑)。

作品に向かうときに心掛けていることはなんですか?

 メインでは漫画を描いていますが、一番大事なのは「面白いこと」だと思っています。漫画は、読んでいる人を楽しませるという気持ちがないと描けないものです。読者が展開に飽きてしまうと、途中で読むのをやめられてしまい、作者が言いたかったことさえ伝えられず終わってしまいます。続けて漫画を読んでもらうために常に面白さを保つことを心掛けています。

 あとは、今はインターネットが普及していて、どの会社さんもいかにユーザーから時間を貰うかということを考えていますが、漫画もそれに近いです。読者さんの時間を貰うとなれば、その漫画を読んだ中で、何か得ていただきたいと思っています。折角時間をもらったから何かしら学びになってもらったりとか、伝えたいテーマに対して何か考えてくれたら嬉しいなと取り組んでいます。

あららぎ菜名さん
あららぎ菜名さん

お父様も陶芸家(同大学工芸科出身)だとお聞きしたのですが、影響などはありましたか?

 影響は割とありました。私の父がずっと家で作品を作っているので、一般家庭からしたら、特殊な家庭だったのかなと思っているのですが、とにかく『作る』ということが身近にありました。父は趣味で絵も描いていて、そこで影響を受けたのもあります。私はそれを見て漫画だけでなく、絵も子供の頃から描いていました。一番大きいのは、『就職しなければならない』という考えが、私の家庭にはなかったことですね。普通のご家庭だと、ご両親が会社に勤めているのが一般的だと思いますが、私の父は基本家にずっといて、仕事場で黙々と作品を作っていました。父のように会社勤めを選ばずに、好きなことをして生活するという環境を身近で知り、それは後々の自分にも良い影響になったと思います。他の兄弟も何がやりたいのか、何が得意なのかを考えて仕事についています。


 羨ましいです。うちでは就職などについて親に結構言われて精神的に辛く感じています。

 そうですね。でも、私の家庭の場合、ある意味自分で道を切り開いていかなくてはいけないので、それが少し大変かもしれません。


 幼い頃から、工芸などに触れていたのですか?

 やっていました。幼かった時に作った作品が、不格好だけど意外と良いなと思えるものもあるんですよね(笑)。粘土はたまに、今も作ったりしているのですが、普段扱っている画材がデジタルツールなので、アナログの作業をすると楽しいなという感覚があります。

影響を受けた作家や漫画家、デザイナーなどはいらっしゃいますか?

 正直デザイナーさんは詳しくなくて影響を受けた漫画家さんは色々います。一番影響が強いのは『ドラえもん』を描いた藤子・F・不二雄先生です。藤子先生といえば児童向けに描いているイメージが強いですが、他にも大人向けの漫画を描かれていらっしゃいます。それに衝撃をうけました、本当に物語作りが上手で。ご存知のように『ドラえもん』は素晴らしい作品で、笑ったり泣けたりできる場面もあるし、子供心にグッとくるような話もあるんです。

 作家さんとなると、チャールズ・チャップリンの作品にすごくハマった時期がありました。チャップリンの映画はテーマが割と暗かったりするんです。彼の映画はコメディの印象が強いですが、終わり方がバッドエンドに近いんです。多くの人がハッピーエンドが好きだと思うのですが、私はわかりやすいハッピーエンドがあまり好きではないんですよね。なぜかと言うと、やはり人間は日常的に何かしら失って生きているので、そこから立ち上がったり、前向きになっていく姿勢が人間らしいと思うからです。彼の作品を見ていると、人間臭さをすごく感じて「これがヒューマンドラマだよなぁ」と思います。私も作品を作るときは、決してまっさらな綺麗なものじゃなくて、少し欠けているところがあるけれど、それでも一筋希望が見えるようなものにしていきたいと心がけています。

昨年の4月から『東京藝大受験ものがたり』をTwitterで連載されていますが、なぜこのタイミングだったのでしょうか?

 以前から藝大生になったら浪人生の話を描こうとは思っていました。藝大にいるうちは、周りに藝大生がいる中でこの話を描くのは気恥ずかしくて出来ませんでした。けど、卒業してからしばらく経って、藝大生を取り上げた本やメディアを見ている時に「藝大生は奇人変人が多い」や「天才が多い」と描かれていることに違和感を感じたんです。彼らは天才だから藝大に入ってきているんじゃない、ちゃんと努力して藝大に入ってきているのを知って欲しくて、「リアルを描こう」と思い、この漫画を描き始めました。藝大受験というのは、決してただの青春物語ではなく修行である、と。自分との闘いのようなところがあるので、等身大の藝大生の受験を見て欲しいと思って描いた次第です。

東京藝大受験ものがたり。藝大受験をノンフィクションで描く。
東京藝大受験ものがたり。藝大受験をノンフィクションで描く。


 確かにメディアなどで面白おかしく取り上げられているのを感じます。

 そうですね。他の方から話を聞いていてもその印象がとても強くて、私はあまり良い傾向だとは思いません。今藝大に通っている子達はこれからの芸術業界を担っていく存在であるわけで、決して笑い者や見世物ではないんです。


 私もこの漫画を読んでいて、すごく共感しました。

 この漫画は浪人生には結構心にくるものがあるのではないかなと思います。受験漫画を描くようになってから、ありがたいことにたくさんの反応を頂きました。「美大出身ではないけれど浪人して大変だったので共感できる」というお話だったり、「美術系受験の世界がこんな感じだとは知らなかった、新しい世界を知れて良かった」というお言葉も頂けて、描いて良かったなと思いました。


 そういったご意見はTwitterで届くのですか?

 それもありますね。イラスト投稿サイトの方でも掲載していまして、そちらでも反応は結構多かったです。Twitterでは実録漫画も読んでくれている人が多いなという印象を受けます。イラスト投稿サイトはどちらかというとファンタジーやフィクションの話のほうが受けが良いイメージです。なのでそれぞれのSNSで傾向も違うのが知れて面白かったです。


 ご自身の辛い体験を見せる勇気というか、表現できるのがすごいなと思いました。

 例えば、情熱があって「コレが描きたい!」という作品は力を持つと思うんですけど、逆に言うとすごく辛いというネガティブなパワーも作品には活きると思うんです。そこまで深く考えて作って爆発させたものって、やはりポジティブが強い人には作れないと思います。人によってはそれを出すのが恥ずかしいと思うかもしれないですが、私はそんなことないと思っていて、むしろ強みだと思っています。それはちゃんと力になってくれるので全然押し出していって良いと思うんです。
 私の周りの藝大生の子も心に病を抱えた子が結構いたので、そんな状態で作品を作り上げるのはとても辛いのですが、出来たら出来たで感動します。正直言うと、受験漫画も苦労した思い出を描いているものなので、辛いと思った時は筆が止まることもあります。でも私は途中で止めるということがすごく苦手な人間なんです。描ききったその先には必ず良いことがある、何より読んでくれている人達がいるという気持ちでいて、私が多少苦労するのは何てことないと思いながら描いています。感想を言ってくれる読者さんの存在は本当にありがたいです。ただ、藝大生のみなさんには無理はしないでと言いたいです。


 美術予備校の講師をしているのですが、高校1、2年生は受験に対してまだ安易に考えている部分があるように感じます。3年生からのリアルな受験の戦いの話がもっと周知されて欲しいですね。

 そうですね、Twitterなどで受験生から質問が来るので答えているのですが、「モチベーションが上がらない」という意見が多いです。上がるか上がらないかじゃない、上げるんだよ!と言いたいです(笑)。「受験は楽しい」とか、ある意味思っちゃダメで、「やらなきゃダメ」という意識で取り組むものだと思います。多くの人が、「藝大生は才能があるから藝大に入っている」と思っていると思うんです。でも「いや違うんですよ」と私は言いたいです。
 最近藝大生から漫画家になる人が増えていて、いくつかの漫画もチェックしてるんですけど、なぜ自分達の受験や大学の話を描かないのかな、なぜファンタジーの世界を描くのかなと思っていました。藝大美大の受験を経験してる人って、それぞれドラマがあって、それって普通の人から見たらすごく興味深いことのはずなのに勿体ないな、と。

第49話より抜粋。
第49話より抜粋。

漫画のストーリーを描かれるときに気を付けていることはありますか?

 受験漫画に関しては、Twitterで発表しているので、一回の投稿で4ページしか載せることが出来ません。なのでその枚数の中で必ず起承転結を作るようにしています。面白いと思える見せ場をまず作っておくというのと、1話の中で何かしら美術関連の話は入れることを意識しています。描くときにこだわっているのは、コマの強弱やセリフです。かなり気を遣って書いています。セリフをネームに書いたあと1回声に出してみて、喋りづらいなと感じたら読んでいる人達も引っかかると思うから、スムーズに言えるかどうかというのはチェックしています。文字数もあまり多くならないようにしています。画面的に描き込みを多くせずに見やすくするのもすごく大事ですね。特に若い子はネットで漫画を見るので、紙媒体はサイズが大きくて描き込まないと画面がもたないけれど、ネットで見ていると画面が小さいので描き込んでしまうと逆に読みづらくなってしまうんです。だからそこら辺もバランスを見て描いてます。


 どのようなソフトを使って漫画を描いているのですか?

 iPadのCLIPSTUDIOで描いています。
 漫画を描くときは結構早く描いていて、自分の中で制限を設けて1日か2日以内で必ず完成させるようにしています。締め切りは大事ですね。終わりを決めないと終わらないし、そういう風にしないと制作スイッチが入らないんです。だから何かを始めるときはちゃんと制限を決めて取り組む、というのと、どんなに疲れていても必ず手をつけておくということをしています。そうしておくと次の日の自分に優しいんですよね(笑)。今日の私はここまでやったから、後は明日の私に任せるというのが出来るんです。学生の時の制作課題をしていたときもずっとそうでした。ゼロから一気にやろうとするとモチベーションが上がらないので、とりあえずちょっとやっておくからねという風に取り組むとその後スムーズに進められるんです。締め切り直前まで引っ張ったほうが出来る人もいるから何とも言えないんですけどね(笑)。

今後描きたいと考えているジャンルなどはありますか?

 ジャンルというよりは、今エッセイを書いていてそれが楽しいので、また違うネタでも描けたらなと思っていますね。ジャンルにこだわりはなくて、今問題視してることとか、世間の人に届けたいメッセージなどを見つけたら、それをテーマとして描いていきたいです。受験漫画も同じ意味で描いています。

抑死者(よくししゃ)。自殺志願者を救済しようとする抑死者たちの物語、KADOKAWAコミックス全一巻発売中。
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藝大受験をする際、デザイン科を選ばれたのはどうしてですか?

 他の科と比べて、面白いことや発想力のほうが重視されていて、私のやりたいことと合っていると思ったからです。それにデザイン科はデフォルメすることにとても強くて、イラストレーターになる人も結構いて、それも自分と相性が良さそうと思いデザイン科を選びました。


 デザイン科は学科も重視されるのでそれも大変だったと思うのですが、その辺りはどうでしたか?

 多分それも世間的には認知されていないと思います。他科の生徒も知らないかもしれません。デザイン科は学科が意外と重要なんです。勉強はやったら階段式に伸びていくんですよ。そこが面白いって感じられると、結構勉強も進めていけるんですけど、逆を言うとやらないと出来ないんです(笑)。私自身、勉強がそこまで嫌いじゃなかったから頑張れました。もちろん全部絵に時間を費やしたいとは思っていたけど、1浪の時に学科で落ちてしまったので。2浪の時は実技で落ちて、あ〜バランス取るのって難しいなと思いました。私は失敗しないとわからないタイプの人間だなぁと思いましたね。


 私達は入試の倍率が14.8倍(平成31年度デザイン科入試)だったのですが、あららぎさんが合格された年の倍率はどのくらいでしたか?

 16倍くらいでしょうか。全体でデザイン科を受ける人は900〜1,000人くらいで、その中から45人が合格しました。今は結構減ってしまったんですか?


 そうですね、私達の時は一次試験で石膏デッサン選択者と構成デッサン選択者に分かれて、それぞれ300人、300人くらいでした。

 600人!?うわぁ減った、そういう感じなんですね。少子化の影響もあるだろうし、『美術』というジャンルが世間的になかなか厳しいように見えるのかなと思えますね。
 私が合格したときのクラスは大体が1浪生でしたが、2浪生から6浪生もいました。

藝大を3浪で合格されましたが、浪人されて良かったことはありますか?

 3浪したときに、ほぼ自力でやらないといけないというのがありました。大学在学中はそこまで何か役立ったというのはないのですが、卒業後に役立ったことはありました。卒業後はしばらくフリーランスをしていて、お手本がいない状態だったので、自分で調べて、出来るようにし、仕事を貰って、スケジューリングをして、という感じでそこは受験時代に培われたものがすごく役に立った気がします。けど多浪はやはり辛いので、あまりおすすめしないです(笑)。

受験時代にたくさんのバイトをされたそうですが、浪人生におすすめのバイトはありますか?

 どんなバイトも必ず長所はあって、学べることがあったので、無駄なものはまず無いと思います。浪人中にしていたバイトの中で八百屋さんのバイトで果物の袋詰めをしていた時があるのですが、その時に形の良い果物や野菜をたくさん見て目が肥えたというか、形や色が綺麗と思うようになって、愛着が持てるようになったと思います。果物や野菜などを描く場合『モチーフ』を愛せたら勝ちだなと思います。藝大生のみなさんがもしこれからデザインの仕事に就くとなった時に全く同じことが起きると思います。クライアントさんから「これをどうしたら良く見させられますか?」と聞かれた時に、まずその商品を知ることや、愛着を持つというようなことをしないとデザインが出来ないので、受験期に取り組む課題は、その後に活きてくるなと思います。

学生時代はどういった作品を作っていらっしゃいましたか?

 漫画や紙媒体で作品を作ることが多かったです。私は元々作品を1枚の絵で完結させることが得意ではなかったんです。私が漫画を好きな理由は「ページ」があるっていうところで、紙が連なっていて流れが出来て時間軸が発生するというのが面白く感じました。学生時代の作品も、前半は漫画が多かったのですが、後半はもう少しデザイン寄りにしようと思って冊子系の作品を作ったりしていて、それも楽しかったです。

在学中はどのくらいでご自身の方向性を決められたのでしょうか?

 そうですね、漫画家になりたいと思っていて漫画を描いていたのですが、デザイン科に入ったのに「漫画ばかり描いてるのもな‥」と思い、冊子の作品を作るようになってから、「デザインも面白い!」と思うようになりました。在学中、デザイン科は色んな方面からお仕事をいただく機会が多く、そういうことも積極的にやっていたら、技術もそこそこついてきて、デザインも仕事に出来るなと肌で感じました。
 漫画に関しては、私は本当にマンガ脳で何でもネタになると思っています。一度心の病気になった時に、これも漫画にしたら面白いんじゃないかと卒業制作で発表したところ、それがデザイン科の賞をいただくことになりました。先生方からの評価も良く、それが嬉しかったです。やっぱり自分はこういう風に何か伝えるのが向いてる人間なんだと思いました。でもデザインも好きだから、2足のわらじでやっている状態ですね。

あららぎ菜名さん
あららぎ菜名さん

院に進むことを決められたのはいつ頃ですか?

 4年生の時に学部で作った卒業制作に納得がいかず、制作や勉強する時間がもう少し欲しくなったので、院に行こうと決意しました。ちなみに、藤崎先生の研究室でした。藤崎先生、その説はお世話になりました。

 藝大生には、他科の子と交流を持つことをお勧めします。そこから得るものがありますし、今も藝大卒業生の展示開催のはがきを貰うのですが、当時の友達が作家活動を続けていて、その作品を見るととても元気づけられます。今コロナで制作が大変だけど、続けてくれているというのが励みになっています。
 あと、同級生だけじゃなくて、先輩・後輩と交流を持つのも大事だなと思います。私は後輩と仲が良いのですが、同じように活躍しているのを見るととても元気づけられるし、受験漫画を描いているとTwitterで研究室の後輩から連絡が来て、すごく響きました!と言われて嬉しかったんです。
 今はこんな状況で、なかなか外と繋がりが持ちにくいとは思っているのですが、なるべく自分の殻に閉じこもらないで、藝大以外のところでも交流を広げていくのは在学中におすすめしたいです。

将来、もしご自身のお子さんが藝大受験を希望されたら、応援しますか?
また、あららぎさんはご自身で受験費用を稼いでいらっしゃいましたが、金銭的にはどのくらい支援をされますか?

 難しいですね。もちろん美術の道に行きたいと言ったら応援したいです。ただ大変だぞとは言いたいし、金銭的なものに関しては、私が結構苦労したので、そこの面ではあまり苦労させたくないですね。

藝大生に一言お願いします。

 私が卒業してから数々の藝大生と知り合いになったときに感じたのは、「なぜこの子達はこんなに自信がないのだろう?」ということです。藝大の中って狭い空間だなって思うんです。在学中はその狭い空間内でお互い競争みたいになるし、お互いをあまり褒めないし、評価を下されるという点があって、その中で負のスパイラルに入って自信をなくしていく子が多いように感じました。「そんなことないんだ」と全員に言いたいです。卒業した子達を見ていても、藝大生は力があるというのは肌で感じたので、自信をなくしている子がいたら「そんなことないよ、あなたは実力をちゃんと持ってる」と言いたいです。出来れば在学中は、蹴落とすという雰囲気ではなく、お互いの良いところを認め合えるようになってくれればと思います。


 周りが凄い人間ばかりで自信をなくしていたので、とても心に刺さりました。

 そうですね、もちろん自信満々の子もいるのですが、周りの子はなかなか自信のない子が多いと思います。藝大を卒業した後は関係ないですけどね。みなさん地の力があるから何でも出来るじゃん、と思っています。なんでも応用できるところが藝大生の強みだと思っています。


 ありがとうございました。

 取材: 山口 美菜子 
川村 麻紋  
撮影: 小澤 良奈  
構成: 川村 麻紋